第9回 ボルボの映画

更新日:2006/11/27

VOLVO on the screen

優れた映画では脇役のクルマも輝いて見えます。「ボルボ・オン・ザ・スクリーン」はそんな「映画の中のボルボ」をご紹介。第9回は1950年代のノルウェーを舞台にした静かなドラマコメディ「KITCHEN STORIES」(2003年)。

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キッチン ストーリー
2003/ノルウェー・スウェーデン合作
原題:SALMER FRA KJOKKENET(ノルウェー語)/KITCHEN STORIES(英語)
監督・制作: ベント・ハーメル(「卵の番人」1995年)
出演:トーマス・ノールストローム、ヨアキム・カルメイヤー
脚本:ベント・ハーメル、ヨリゲン・ベリマルク
撮影:フィリップ・オガールド
Length:1h.31

ストーリー

1950年代初頭。スウェーデンで家事労働の研究を行なっていた「HFI(家庭調査研究所)」は、その一環として「独身男性の台所における同線調査」を計画。18人の調査員が隣国ノルウェーに派遣される。中年の調査員フォルケ(トーマス・ノールストローム)が訪ねたのは、片田舎に住む老人イザック(ヨアキム・カルメイヤー)。フォルケは調査員と調査対象者が話してはならないという規則を守り、台所に据えた監視台からイザックを観察し続ける。

解説

この奇想天外なストーリーは、実際にあった主婦の同線調査にヒントを得て、制作・監督・脚本のベント・ハーメルが生み出したもの。戦後の北欧を背景に、隣国でありながら異なる歴史を歩んだスウェーデンとノルウェーの男2人の交流を、北欧らしい彩度の低い映像で描きます。セリフの少なさ、長回し(1カットの時間を長めに撮ること)、淡々とした日常、温かみのある演出などが、小津安二郎監督のタッチを彷彿とさせます。

登場するのはPV444

調査員一人一人に支給されたのがスウェーデン初の国民車となったボルボPV444。標準カラーは黒でしたが、フォルケのクルマは豪華グレード「S」用の灰色に塗られています。PV444は映画の最初から最後まで重要な脇役として登場。物質的に豊かで、生真面目で、でも付き合ってみると心の暖かいスウェーデン人の象徴という風にも見えます。

ちなみにPV444と一緒に支給された小型の寝台トレーラーは、1950年代に流行った通称「ティアドロップ・トレイラー」と呼ばれるもの。手作りキットもあり、アメリカでは今でも人気があります。

PV444とは?

1947年発売のPV444はボルボ初のビッグヒット車。先進的なモノコックボディ、高い安全性、質実剛健な作りといったボルボ車の特徴をすでに備えていました。改良版のPV544(1958年)と合わせて1965年までの18年間に44万台が生産されました。


「このクルマは15年くらい前にスウェーデンの郊外で初めて見ました、そのときは『古い車がまだ走っているんだなあ』くらいにしか思わなかったのですが、ストックホルムで白髪の老夫婦が乗っているのを見た時は、歴史のある町並みに溶け込んでいる様子がとても印象的でした。昨年、久しぶりにスウェーデンを訪れた時も、街角に止まっている黒のPV544を見かけました。助手席にはパンやオレンジが入った買い物袋があり、いまだに現役で走っているのだなと思うと、うれしくなりました,歴史ある街にPV544。古さを感じないどころか、何度見ても新鮮です」。


(ボルボ・カーズ岡崎 神谷)


VOLVO PV444 (1947〜58年)

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●直列4気筒OHV・1414cc(44ps)●駆動方式:FR

※諸元はPV444の代表的な数値です。画像のモデルはPV444S(「S」はスペシャルバージョン)。珍しい純正マロンレッド色です。(画像:「Volvo Car Corporation 1927-2003/04」)


text by Kei Niwa, DAYS co.
produced by VOLVO CARS CHIKUSA, TENPAKU, OKAZAKI, CHITA-KARIYA

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