第3回 ボルボの映画

更新日:2003/5

VOLVO on the screen

映画の中でカッコいいのは俳優だけじゃありません。丹念に作られた映画ほど、脇役や小道具が輝いて見えます。もちろんクルマもその一つ。「ボルボ・オン・ザ・スクリーン」はそんな「映画の中のボルボ」をご紹介します。第3回は、91年のアメリカ映画「Night on Earth」。

<写真>ナイト・オン・ザ・プラネット
1991/米
原題:Night on Earth
製作・監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
出演:ウィノナ・ライダー/ジーナ・ローランズ(第1話)、アーミン・ミューラー=スタール(第2話)、イザーク・ド・バンコレ(第3話)、ロベルト・ベニーニ(第4話)、マッティ・ペロンパー(第5話)
Time:2h. 9 minuits
R指定(暴力的シーンはありませんが、セリフに過激な表現があります)

ストーリー

LA、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキと、5つの都市を舞台に、5つのストーリーが展開するオムニバス映画。主人公はそれぞれの都市のタクシードライバーと乗り合わせた客。物語は夕刻から早朝にかけて進行します。ボルボが登場するのはもちろんヘルシンキ編です。

解説

映画評論家の父を持つジャームッシュは、学生時代のフランス滞在などによって、アメリカ離れした感性を養ったようです。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(84年)や「ダウン・バイ・ロー」(86年)によって、アメリカン・インディペンデント・フィルムの牽引役となりました。

91年のこの作品はユニークな脚本、そして俳優の個性を生かした演出が、全ストーリーに強い魅力を与えています。LA編のウイノナ・ライダー、ローマ編のロベルト・ベニーニ(「ライフ・イズ・ビューティフル」98年)ほか、出演者全員の演技が秀逸。ジャームッシュの作品としてだけでなく、オムニバス映画としても最高傑作の一つです。

登場するのはボルボ144

何もかも凍り付いた深夜のヘルシンキに登場するのが、ボルボ144のタクシー。運転手のミカは、酔いつぶれた3人の男を家まで乗せてゆくことになります。男たちは仲間の不幸話をミカに聞かせるのですが、その後ミカが自分について語ったのはさらに不幸な話でした…。

ちなみに、第1話(LA)で男勝りでキュートなW・ライダーが運転するのは、シボレーの旧カプリース・ワゴン(77〜89年)、第2話(NY)で東ドイツ出身の元ピエロが運転するのはフォードLTD(79〜91年)、第3話(パリ)で短気なアフリカ系フランス人が運転するのはプジョー504(68〜83年)、ベリーニのハチャメチャトークが抱腹絶倒の第4話(ローマ)はフィアット128(69〜76年)。

ちょっと古いクルマが、それぞれの国らしさを盛り上げます。もし舞台が日本だったら、ジャームッシュはどんなクルマを使ったでしょうね。

登場するタイミング:1時間37分経過時点

ボルボ144とは?

通称アマゾンと呼ばれる120系と240系の橋渡しとなる140シリーズ。ボルボのボクシーなスタイルは140から始まりました。240より一回り小さく、丸みを帯びたデザインが特徴です。

144はその名の通り4ドアセダン。劇中の144はオプションの大型フォグランプを装備しています。生産期間は短かったものの、240につながる成功作となりました。

「生産中止から30年近く経つこともあり、設計の新しい240に比べて完成度は譲ります。それでもやはり丈夫なボルボらしく、今でも当店に何台か整備で入庫します。コンパクトなボディや愛嬌あるデザインなど、いまでも魅力の褪せないクルマですね」
(ボルボ・カーズ岡崎店長 神谷)

VOLVO 144(1966〜74年)

<144写真>●全長4640×全幅1730×全高1440mm●直列4気筒OHV・1985cc(82ps)●駆動方式:FR
※諸元は68年以降の2.0リッターモデル。写真は74年型右ハンドル仕様

※今回の作品は名古屋在住の古賀さんから推薦していただきました。
text by VOLVO CARS CHIKUSA, TENPAKU, OKAZAKI

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